おりおりの唄

東京からの帰り道、寒夜に、駅のホームで電車を待っている時、ふと、夕日が脳裏に浮かんだのです。まだ、私が農業に勤しんでいた頃の事。稲刈りの田で、少々疲れた身体を、西の方に向けた時、大きな夕日が ”お疲れ様 ”と声をかけてくれた、あの時の光景が。

今、私が着物に織りこんでいる、いろいろな色は、なぜこの色をと思うのか。 生まれてこの方 ○△年の、気持ちを癒やされた事どもが、心に堆積されて、ここはこの色、あそこはあの色と選ばさせてくれているのかしら。

思い出の光景に浸りながら、唐突にこんな考えが、生まれてきました。

ならば、これから80歳すぎても織り続けるとして、色の貯金は破産しないだろうか。

まずい! 過去にあぐらをかいていないで、頭を柔らかく、心をば優しく強くして、色の貯金を増やさなくては。
3/12/2009記

エゴの花が咲いた事にも気付かないままに、時は過ぎゆきて、もはや五月下旬に向かっていますね。またご無沙汰してしまいました。これではおりおりの唄ならず、息絶え絶えの唄。反省しきり。
けして無為に過ごしていた訳ではありませぬ。
15日間の2009展示会を、皆様のおかげで無事終える事ができました。着物を中心に展示する初めての試みでした。
飛行機の出発、到着の合間に寄り道して下さった方々、インフルエンザの流行という難事にもかかわらず、展示会のために、成田国際空港までお越し下さった方々、お仕事の休み時間に覗いて下さった方々。多くの方にご高覧いただき、ありがとうございます。
やり終えた事が力となって、今は次の作品に取り組んでいます。
イメージに合う花織の花の形が定まらず、一分方眼紙に描いては消し、描いては消し、色鉛筆とわが身を削っています。そうこうしているうちに、スッと決まるのですが、まだそのスッとがやって来ません。待ち遠しい限り。

そういえば、昨日夜道を歩いていて目撃しました。大きな翼が、道案内するかのように、木から木へと飛行しているのです。数日前にフクロウの鳴き声を聞いた人もいて、フクロウではと。
フクロウは芸術の神様でもあるとか。
フクロウさん、私を見守って下さい!!                    2009.5/21記

とっくに秋は過ぎ、今はもう梅の花がほころびはじめています。ご無沙汰してしまいました。今年もよろしくお願い致します。
先日染めの時間に来ていただき、化学染めをしました。数色染料を溶いて色を見ながら調合しました。サジ加減が難しくもあるのですが、楽しいひと時でした。表に現われている色の奥に潜んでいる色は何色か、目を澄まして別の色を加えていくスリリング。成功も失敗もサジ加減一つ。出来上がりは、食べちゃいたいようなレモンイエローと、うきうきするような萌黄色です。2009/1/19記



はじめまして。手織工房れんこんてぃの宇野です。
「出会う」という名の「れんこんてぃ」ですが、もっともっとたくさんの人と出会いたいという思いで、ホームページの作成に取り掛かって、苦節の2か月。やっとできました。
パソコンなんてなくても生きていかれると、気持も屈折しながらも、織りで培った諦めの悪さで、なんとか形にすることができました。ぶさいくですが、大目に見てください。成長して、楽しいものにしていきます。乞う、ご期待!

ただ今、生徒さん募集中です。

講習会内容を充実させております。

体験コースでは、ネクタイを裂いて織る裂織を提案しています。お連れ合いのいらなくなったネクタイで、布を織りバック等に仕立てて、思い出の作品を創作してみてはいかがでしょうか。

是非、是非見学にいらして下さい。

秋の野では、ススキとアワダチソウのつぶやきが聞こえてきます。
ススキ「君の心はオリーブグリーン。僕には届かない。」
アワダチソウ「あなたの滴は菜花色。遠い存在。」
黒子のコオロギ「手を取れば、素敵な縞になるやん」 a:3421 t:1 y:0